学部生からみた言語学

ネットを回っていたら、東大で授業を受けている学生が書いたブログに、以下のようなくだりを見つけました。

やはりぼくの興味はより生物学的な方向に寄っていて,
言語(学)というものにはあまり興味がない。

このことに,今回気付いた。

なぜ言語学をツマラないと感じるのか。

それはたぶん,「言語がわかっても,人間理解にはあまりつながらないような気がする」
と思っているからだと思われる。

だって,言語は,つまりは〈思考やコミュニケーションのための「道具」〉であって,
「道具」をいくら調べても,あんまり人間を理解したことにはならないもんね。

それが「遺伝子」とか「進化」とかと結びついて来れば,たぶんぼくも「おもしろい!」と感じるのだろうけど,
さっきも書いたように,それはまだもう少し先のことのようだし。

数理論理学やプログラミングの訓練を受けたことのない学部生に、たかだか一時間半の授業のなかで「言語」という概念の本質を伝える、というのは難しいことかもしれません。興味のない学生にも興味が湧くような経験を一から与えつつ育てていくべきなのか、それとも、全ての学生が言語に興味を持つ必要はないと考えて、自分から興味を持つ学生だけを相手にすべきなのか。

自分から興味を持つことが、才能の一部でしょうから。