純プロレス、格闘技プロレス

TV観戦ですが、NOAH東京ドームの小橋×秋山戦は実に良かった。面白いのは、その後坂口CEOがあの試合を絶賛したりといった波及効果がみられることで、全日本両国の三沢×小島戦が名勝負になったのも(小島の出世試合とすら言えるかもしれない)あきらかに小橋×秋山戦がキーノートになったためではないかと。あれがキーノートになってしまうと、はじかれる選手がいる反面、若い選手はどういう方向で鍛えたらいいかがはっきりしてくるので、数年後のレベルが底上げされる効果があるかも。

一方、新日本を中心とした格闘技プロレスですが、どうも「プロレスの試合の中で格闘技的な技を出す」という風に受け止められて、反発を買っているような気がします。むしろ「格闘技の試合の中でプロレスの技を出す」ことが本質なのであって、パンクラスの試合で近藤をジャーマンで投げたジョシュ・バーネットや、PRIDEの試合でヒョードルを凄いスープレックスで投げたケビン・ランデルマンパワーボムを出したクイントン・ランペイジ・ジャクソン、ちょっと昔でいえばやはりパワーボムノゲイラを追い込んだサップ辺りが、猪木−前田・佐山の流れを組む格闘技プロレスなのではないかと。これらの選手に共通していえるのは「すごいパワー」で、つまり「普通の人は格闘技の試合の中でそんなことができないのに、できてしまう常人離れしたパワー」こそがプロレスラーの魅力なのであって、新日本の選手には(変に総合慣れするとかじゃなくて)そういうパワーを期待したいです。