枝豆

喫茶店で仕事をしてたんですが、隣のカップルの会話に脳波が影響されて、集中できませんでした。

「こないだ集まったとき、みずえちゃんが作った料理のなかに枝豆もあったのに、みんなで枝豆食べたいって言って枝豆買ってきたじゃん？　それってー、もし自分だったらー、すっごくイヤだってゆーか」
「でも、オレはそのとき、みずえちゃんが枝豆作ってたって知らなかったからね」
「えー、淳君には言ったじゃーん」
「でも、オレ悪いことはしてないよ」
「してるよー」
「じゃ、ぶっちゃけ言うよ。悪いけど、枝豆サラダはオレの口に合わなかった」
「そうなんだけどー、誰が悪い、とかじゃないんだけどー」
「だって買ってきた枝豆だって残ってたからね」
「そういうのがあるから、私あまり料理って、作って来たくない。向こうの口に合わないのに、食べさせてる、ってのがイヤなの。だから私作って来たくないの」
「そういうのは分かるな」
「だから私、淳君にも料理作るのイヤなの。だから作らないの」