補足

この話に関わる問題は色々あると思うのですが、社会において、誰かが権利を主張することは、必然的に他の誰かの権利を侵害すると思うのです。したがって、我々は互いの競合する権利を調整し合って暮らしているのであって、何らかの「権利の侵害」を絶対悪として語ることはナンセンスなのだということは、この手の議論においてもっと認識されるべきではないでしょうか。

喫煙・嫌煙の問題にしても、誰かが「吸う権利の侵害だ」と言えば、他の誰かが「吸わない権利が侵害されている」と言うことができて、これらの権利は少なくとも公共の場においては競合しているのであって、これを国や自治体が調整するのにあたって、様々な利害に重み付けをした上で判断されるわけです。

我々にできることは、声を出していくことによって、あるいは必要とあれば対立を表面化させることによって、この重み付けに影響を与えていくことでしょう。言い換えるならば、「煙草を吸わない」ことに象徴されるような生き方、価値観を、そうでないものに対する上位概念として確立していくことであろうと思います。