真理(Truth)の定義を巡って

アリストテレス形而上学」より

To say of what is that it is not, or of what is not that it is, is false, while to say of what is that it is, or of what is not that it is not, is true.

この定義によると、文"snow is white"の真理条件は、

"snow is white" iff snow is white.

ということになる。これは正しいのだが、満足できる情報ではない。アリストテレスによる真理の定義は、たとえるなら、「3+3は?」という問いに対して、「電卓の3、+、3、=のボタンを順に押して、表示された数字」と答えるのに似ている。それは正しく、計算の答えを知りたければ十分であるが、足し算とは何か、という問いへの答えとしては満足できる情報ではない。

このたとえが適切である理由は、我々自身が自然言語インタープリタであるからである。もし、"snow is white"が「真かどうか」が知りたいのであれば、上の定義で十分であるが、文が真であるとはどういうことか、という問いへの答えとしては満足できる情報ではないと言えるだろう。