阿部謹也先生


阿部謹也先生がお亡くなりになったそうです。

ハーメルンの笛吹き男」に衝撃を受けて以来、中世ヨーロッパをどう観るのか、ひいては歴史学とは何をしうる学問なのか、ということを教えてくれたのが先生の著作であったと思います。2004年6月に軽井沢で先生の講演会があると聞き、そのために軽井沢まで行ったのですが、結局お会いできたのはそのとき一度だけになりました。

その後「日本世間学会」というところに先生が参加されている、と聞いて行ってみたのですが、体調不良で欠席とのことでした。丁度そのころ「阿部謹也自伝」が出版されたこともあって、ある種の覚悟をしていたところの訃報でした。

軽井沢で僕が先生に訊いたこと、先生が答えられたことについて、まだ語れる時期ではないのですが、先生の死を思うとき、差し迫った感覚に急き立てられます。残された時間のなかで、やらなければならないことをやり抜かなければならないと思います。