「おざなり」と「なおざり」
使うたびに「どっちだっけ」と思うのですが、Microsoft Bookshelf 3.0によると、
御座なり(おざなり):その場限りのまにあわせ、いいかげん。
例「御座なりな挨拶」
等閑(なおざり):〔言動に心がこもっていないで〕することが万事不十分な様子。
例「警告を等閑にする(=適当にほうっておく)」
「等閑(=いいかげん)な返事」
だそうで、「御座なり」は一応用を足しているが、「等閑」はそれ以前の問題ということでしょうか*1。Googleで「「おざなり」と「なおざり」」で検索すると随分引っかかりますが、一番上にあった(笑)以下のサイトは面白い。
http://homepage3.nifty.com/tak-shonai/intelvt/intelvt_028.htm
このサイトで取り上げている「おくあきよしのぶ氏の説」では、「おざなり」と「なおざり」は以前ここ(http://d.hatena.ne.jp/ka-lei-do-scope/20040630#p1)で取り上げたスプーナリズムの一例だと言うのです。この説は、「幇間や芸妓の世界の 「洒落」 から発生したのではなかろうか(同サイトより)」という仮説と併せて考えれば、
http://www.nhk.or.jp/bunken/yougo/b332-0312-j.html
などで言う「御座なり、は、御座の形(なり)から来ている」というだけの説より魅力的な気がします。
*1:しかし http://sumim.no-ip.com:8080/wiki/167 によると、「等閑」について「達成には真摯な態度で接してはいるもの」等のニュアンスを書いており、良い悪いの程度の違いではなさそう。思うに、並列した二つの言葉で、意味の違いによって使い分けていたと考えるから分からなくなるのであって、成立の違い、使われたレジスターの違い等から捉えたほうがいいのかもしれません。