代入(1)

今、NHK「高校数学I」で因数分解について説明しているんですが、

(a+b)(a~2-ab+b~2)=a~3+b~3 ---(1)
は展開によって得るとして、この式のbに-bを代入すると、
(a-b)(a~2+ab+b~2)=a~3-b~3 ---(2)
が得られる。

と言うんだけど、「bに-bを代入」しても等号が成り立つ、ということを高校生はどうやって納得しているんだろうか。(1)は暗黙的に、
∀a∀b (a+b)(a~2-ab+b~2)=a~3+b~3
であり、だとするとUniversal Eliminationで
∀a (a+(-b))(a~2-a(-b)+(-b)~2)=a~3+(-b)~3
が証明されるのは問題なさそうですが、問題はこのときの変数bの立場で、ここからUniversal Introductionで∀bを頭に付けることには結構抵抗がありそうなんですが、というか未だにUniversal Introductionには抵抗があるんですが、それは自然言語に置き換えられないせいかなとも思います。たとえば「すべてのものは定命である」から「ジョン・レノンは定命である」は演繹されるけれど(まあ「ジョン・レノンはものである」との三段論法であることや、∀と「すべての」の違いについてなど、かなり端折ってますが)、そこから「すべてのジョン・レノンは定命である」と演繹するのは、まあ偽ではないけど、なんかズレてる感じ。

テレビではいま「x~2をAとおく。」とか言っていますが、この「〜を〜とおく。」というのも、高校時代まで気持ち悪かった用語の一つです。これも問題の根は同じっぽい。