PRIDEミドル級GP開幕戦

吉田vs.シウバ戦は、柔道に肩入れしている立場としては、残念な結果でした。3ラウンドのスタンドの場面で吉田は全く仕掛けられない状態に陥ってしまったわけですが、あれは頭の中で「自分から仕掛ける→組み付く」というイメージが全く湧かなくなってしまったのでしょう。しかし、観客は必ずしもそういう風には観てくれないわけで、たとえば本日のターザンカフェには、

残念だったのはシウバと闘った吉田である。1ラウンドではギブアップ寸前までシウバを追いつめながら2、3ラウンドでは逃げの作戦に出て結局、2対1の判定で負けたからだ。
吉田って本当にせこい人だ。あれでは人気は出ない。3ラウンドなんか試合を流しているようなファイトぶり。
あれにはがっかりさせられた。失望した。ファンに対する裏切りだ。プロのファイターとはとてもいえない。
などと書かれているわけです。これは格闘技を観るだけの人、自分でやったことのない人の視点だと思います。あれは2Rのシウバの戦い方が、吉田の無意識に「自分から仕掛ける→殴られる→痛い」というイメージを残した結果であって、決して試合を流したくて流しているわけではないと思うのです。
しかし、興業というのは素人が観るものであって、前に出られなくなった結果、そういう見方をされるというのもまた事実。プロのファイターとしてやっていくためには、前に出なければならないのでしょう。しかし出られないのは無意識レベルで心にタガがかかるせいなので、それをプロ意識だの、練習量だので外すのは難しいのではないでしょうか。
テレビ中継で、吉田は「日本を背負うつもりはない。これは個人レベルの戦い」と言っていた、とありましたが、どうもその辺りの意識を変えることが、無意識レベルでかかった心のタガを外す鍵なのではないかと見ています。