本バトン(前編)

id:su1さんから本のバトンを頂きました。これも結構難しく、ちょっとずつ更新したいなと思います。

部屋にある本棚の数

10棚ありますが、半分くらいは書類や論文が入っています。他にカラーボックスのいくつかに本が入っていたり、本棚の上の箱に本が入っていたりするので、正確な分量は何とも言い難いです。あと、本棚には仕事の本も相当入っているのですが、それを持っている本としてカウントするかどうかにも依ります。

最初に買った(読んだ)本

ディック・ブルーナうさこちゃんシリーズ(ミッフィー)を読んでいたらしいのですが、字が読めるようになる前のことで、あまり記憶はありません。最初はひたすら本を「かじって」ばかりいたので、ページをめくるようにさせるため、本の角を全部折っておいたら、めくって読むようになった、とか。

本で最初に記憶として残っているのは、ほるぷ出版の絵本が段ボールでいくつか家に届いた日のことで、それ以来絵本ばかり読んでいました。「太陽と月はどうして空にあるの?」「おはなしおはなし」「トロールものがたり」等、当時の海外絵本が如何に不条理な魅力に満ち満ちていたかは、いずれ紹介したいと思います。

最初に読まされた「活字のみからなる本」は、スチーブンスンの「宝島」です。これも何やら全集が家に届いて、当然すべて読むことを命ぜられるわけですが、ともかく冒頭から状況が何もかも理解できず、「ギニー銀貨って何?」「黒丸って何のこと?」という具合で、最初の10ページくらいを読むのに半年ほどかかった記憶が。ともかく、字を追っても状況が頭に浮かばないため、ひたすら苦痛で、しかし必ず寝る前に「宝島」を読むことが義務づけられていたため、泣きそうになりながら読む、ということを繰り返していたのでした。

ところが我らが主人公ジム・ホーキンズがついに家を出て船に乗り込むことになる経緯の辺りで、急に何かの「スイッチ」が入ったように面白くなり、そこからラストまでは二日で読むことができたのは、今でも光が差し込んでくるような体験として覚えています。

ところで、僕が読んだポプラ社版では冒頭に、

「死人の箱には十五人、ヨーホーホー! おまけにラムが一瓶よ」
"15 men on a dead man's chest, yo ho ho and a bottle of rum."

の歌*1があるのですが、高校時代に通っていた英語塾で「宝島」の原文訳をやり、そのときに"a dead man's chest"が「箱」か「胸」かで先生と喧嘩になったのを覚えてます。僕は「箱」と訳したのですが、先生がそれは間違いだと怒って、「胸」に直すように言ったのです。「これは死人の胸の上に、さらに十五人の死体があるという意味でしょう」と。しかし僕は「宝島」は何度も読んでいて、歌の訳は上述の訳から一言一句変えることはできない、というこだわりがあったのです。

最近調べたところによると、カリブ海に"Dead Man's Chest"という島があって、悪名高い海賊「黒髭」が、反乱を企てた十五人を"Dead Man's Chest"島に島流しにし、そのときラム酒一本しか与えなかった、という事件が、歌の元になっているそうです。しかし"Dead Mans's Chest"自体の語源は分からず。島の外観からすると、死人が海に浮かんで、胸だけ海面から出ているようにも見えるので、胸なのかも。

http://www.b-v-i.com/PeterIsland/default.htm#Nearby%20Dead%20Chest%20Island

「宝島」を経て「本にはまる」ことを覚えてからは、同全集にあった「ロビンソン・クルーソー」海底二万海里」「ニワトリ号一番乗り」「二年間の休暇十五少年漂流記)」「さらわれたディビッド」などを順に読んでいったのですが、今覚えているのはひたすら食べ物の描写のことばかりです。「ロビンソン・クルーソー」でも確か漂流船が島に流れ着くくだりがあって、その船の食料庫に色々と食べ物を見つけて狂喜乱舞するのですが、その中にたしか「ヨークシャー・プディング」というものがあって、これをずっと食べてみたいと思っていました。はじめてロンドンに行ったときにあちこちのレストランで「ヨークシャー・プディング」を探したのはこういう事情です。でももしかすると「ロビンソン・クルーソー」ではなくて「二年間の休暇」と記憶が入れ替わっているかも。それともどっちにも出てくるのかも。

「さらわれたディビッド」に出てくるオートミールにも憧れてました。

最後に買った本

http://d.hatena.ne.jp/ka-lei-do-scope/20050716#p1 です。

よく読む、または特別な思い入れのある5冊の本

これはまた次回。

*1:伝染るんです」に登場する「エイホー、ラム酒だ、しばり首」の元ネタとして有名。