慢性病の原因と治療

現在は、病気になると病院に行くのが良いとされています。病院で行う検査にはリスクもありますが、適切な頻度であれば、メリットの方が大きいと考えられます。しかし、検査結果に対して病院ができることといえば、薬を使うことだけです。そして現在病院で出している薬は、いずれも症状を抑えるためのものです。

急性病の場合には、これで一命を取り留める場合があります。しかし、慢性病の場合は一時的に症状を抑えても、生活習慣を変えない限り、同じ症状が繰り返し現れます。薬理学的に考えても、慢性病を「治療」する薬は存在しないのではないでしょうか。

それに対して、患者の方も、「生活習慣を変えたくない」という欲求が強すぎて、薬を飲むだけで済まそうとする傾向があり、医者が生活習慣のアドバイスをしても聞き入れず、薬を出さない医者には不満を言ったりします。ここに、患者と医者の間に負の循環が生まれているのです。

まだまだ一般常識ではないと思いますが、慢性病の原因は、遺伝子と環境の不整合から起こると考えられます。そこで、「我々の祖先が、進化・適応してきた環境」という概念が、キーポイントとなります。細胞を取り巻く環境を、その環境にどう近づけるか、ということです。人間の遺伝子の構成は、四万年の間、ほとんど変わっていないと言われています。しかし環境は、ここ百年で大きく変化しつつあり、その変化は、慢性病が主にこの百年の間に登場してきたことと相関しています。

具体的には、「栄養」「排毒」「運動」「精神」の四つの要素について、下記の事柄が守られていなければ身体のレベルは下がっていき、ある程度低下したところで慢性病が発病するわけです。

逆に、慢性病を治すには、下記の事柄を守るしかありません。また、これらは決して「病気になった人が治る」ための事項に留まらず、「健康な人が、よりレベルアップする」ための事項である、ということは、もっと強調されていいと思います。

1. 必要な栄養素を全て取り、余分な栄養素を取らないこと
2. 塩素、重金属、農薬、タバコ等の毒を身体に入れないこと
3. 定期的に運動すること
4. 他人に必要とされていること

それぞれ難しさがありますが、1.の難しさの一つに、医学上「必要な栄養素」とは何であるかが、部分的にしか分かっていないことがあります。つまり、食物に含まれる成分の働きは部分的にしか分かっていないし、また発見されていない成分も多々ありうるということです。

そういう状況の中で、食事+サプリメントのデザインをどうしていくか、という問題があります。

基本的には、必要な栄養素が分かっていない以上、サプリメントだけで栄養を補完するのはリスクがあります。食事を、できるだけ「我々の祖先がそういう環境で進化・環境適応したであろう」食事に近づける必要があります。

逆に、現代の環境、農業、流通、食品加工といった状況が、「我々の祖先がそういう環境で進化・環境適応したであろう」食事を取り巻いていた状況とはかけ離れてきている以上、食事だけで栄養を最適化することは不可能になってきています。そのような観点から、サプリメントをどう選択していくかが重要になってくると思います。

「ドラッグストアに行ってもサプリメントがありすぎて、何を飲んだらいいのか分からない」という人もいますが、実際はほとんどのサプリメントは劣悪で、むしろ選択の余地はあまり無いと言えます。