「D&Dビギナーズセット」

D&D ビギナーズセット ([BOX商品])

D&D ビギナーズセット ([BOX商品])

噂には聞いていた、D&D 3rd Edition日本語版の新製品「ビギナーズセット」ですが、実際に見せて貰うついでに最初の冒険を試してみる機会に恵まれました。(id:su1さんに感謝!)

箱は思ったより分厚く、五センチメートルくらいありまして、その厚みのほとんどはフィギュアが詰まっているためという、おもちゃ箱っぽい内容です。フィギュアはプラスチック製ですが、昨今の食玩ブームでノウハウが蓄積したのか、随分と丁寧な彩色がしてあり、見た目には重量感もあります。値段のほとんどはコレ、という感じです。

附属のフロアタイルは、これも安っぽくない厚紙に両面印刷されており、附属シナリオと完全に対応しているそうで楽しみです。また、宝箱や扉なども、昔のシミュレーションゲームのように、厚紙を切り離して使うカードタイプ。アイテムまでカード化しているのが素晴らしいと思います。実際、シナリオの導入部を聞かされて、タイルのうえにフィギュアを置き、厚紙を使って「洞窟につながる扉が閉まっている」のを目の当たりにしたとき、久しぶりに、RPGの世界に吸い込まれていく感覚を覚えました。

また、ゲームバランスも随分と良くなっている印象を受けました。D&D第二版の酷い初期バランスは、さまざまなローカルルールによって、各マスターが修正していたわけですが、その辺りがAD&Dでの蓄積を経て、第三版のバランスに昇華した感があります。バランスが悪いと、急に現実に引き戻されるので、この辺りは重要なポイントであると思います。

また「ビギナーズセット」だけに、最初に各プレイヤーが読まなければいけないルールブックも極限まで薄く、4、5ページしかないのですが、これは敷居が低くていいですね。そんな中にも、「挟撃」という、フロアタイルを生かしたルール(敵を挟んで配置すると、挟んだ側が有利になるルール)が盛り込まれていて、そのあたりの勘所は外していないなと感心しました。

最近は仕事仕事と追われて、気が付けばRPGのセッションも二年くらいやっていないという体たらく。そんな中、しばらくぶりの小セッションのおかげで、少し心のバランスを取り戻した気がします。