「D&Dビギナーズセット」
- 作者: Matthew Sernett/Bill Slavicsek,桂令夫
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2007/10/31
- メディア: 大型本
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箱は思ったより分厚く、五センチメートルくらいありまして、その厚みのほとんどはフィギュアが詰まっているためという、おもちゃ箱っぽい内容です。フィギュアはプラスチック製ですが、昨今の食玩ブームでノウハウが蓄積したのか、随分と丁寧な彩色がしてあり、見た目には重量感もあります。値段のほとんどはコレ、という感じです。
附属のフロアタイルは、これも安っぽくない厚紙に両面印刷されており、附属シナリオと完全に対応しているそうで楽しみです。また、宝箱や扉なども、昔のシミュレーションゲームのように、厚紙を切り離して使うカードタイプ。アイテムまでカード化しているのが素晴らしいと思います。実際、シナリオの導入部を聞かされて、タイルのうえにフィギュアを置き、厚紙を使って「洞窟につながる扉が閉まっている」のを目の当たりにしたとき、久しぶりに、RPGの世界に吸い込まれていく感覚を覚えました。
また、ゲームバランスも随分と良くなっている印象を受けました。D&D第二版の酷い初期バランスは、さまざまなローカルルールによって、各マスターが修正していたわけですが、その辺りがAD&Dでの蓄積を経て、第三版のバランスに昇華した感があります。バランスが悪いと、急に現実に引き戻されるので、この辺りは重要なポイントであると思います。
また「ビギナーズセット」だけに、最初に各プレイヤーが読まなければいけないルールブックも極限まで薄く、4、5ページしかないのですが、これは敷居が低くていいですね。そんな中にも、「挟撃」という、フロアタイルを生かしたルール(敵を挟んで配置すると、挟んだ側が有利になるルール)が盛り込まれていて、そのあたりの勘所は外していないなと感心しました。
最近は仕事仕事と追われて、気が付けばRPGのセッションも二年くらいやっていないという体たらく。そんな中、しばらくぶりの小セッションのおかげで、少し心のバランスを取り戻した気がします。