寺村秀夫の相対動詞

結局、謎は解けていないのですが、昨日書いた中で

あと、「燃やす」が自動詞「燃える」からの派生であるのに対して、「焼く」からは逆に自動詞「焼ける」が派生する、という差も関係ありそうな気が。

という部分については、寺村秀夫は有名な「日本語のシンタクスと意味」の中で、どちらからどちらが派生というよりも、同じ語幹から双方が派生している、と見ているようです。寺村氏は同書の中で、この自他対立の形態を10パターンほどに分類していて興味深い。

なお、そのように自他の対立がある「相対動詞」以外にも、対応する他動詞が存在しない「絶対自動詞」(死ぬ、等)、対応する自動詞が存在しない「絶対他動詞」(殺す、等)、自他どちらにも使える「両用動詞」(開く、閉じる、等)があって、割合として、日本語では相対動詞が多いのに比べて、英語や中国語では絶対自動詞や絶対他動詞の方が多いのだそうです。この差はどこから来ているのか。

あと「燃やす」に対応する自動詞は「燃ゆ」かもだ。