シカクいアタマをマルくする

問題編

http://d.hatena.ne.jp/Cream/20050829#p2 に、次のような問題が。「2005年那須高原海城中入試問題より」だそうですが、小学六年でこれを解かなきゃいけないのか……。


(元ネタ:http://www.nichinoken.co.jp/sikakumaru/mondai/sm_sa_0509.html

解答編

「問題解説と解答」も含めて、http://d.hatena.ne.jp/Cream/20050829#p2 に書かれている解答は一番エレガントなんじゃないでしょうか。「納得がいかない」のは「確実に不正解であるといえる問題が1題あります」を既知の事柄として使っているからだと思うけど、ゲーム理論や論理パズルでは、たまにそれを使わないと解けない問題もあるし。

ちなみに、僕が答えを見る前に書いた解答は以下の通り。ゴリゴリやった感じで余り良いとは思わないけど、「問題解説と解答」の解説例1とほぼ等価だと思う。解説例2は「よく思いつきましたね」とは思うけど、この問題を解く一般的な方法が見えてこないので、個人的にはあまり好きじゃない感じ。

A君とB君

A君とB君の解答は、4問(2,3,5,10)が一致し、6問(1,4,6,7,8,9)が不一致である。
そこで、A君が間違った二問について考えてみると、以下の三通りが考えられる。

a) 両方とも一致解答に含まれる。
b) 両方とも不一致解答に含まれる。
c) 一方が一致解答、もう一方が不一致解答に含まれる。

B君から見て、
a)の場合、一致解答のうち(A君が間違った)二問が正解、不一致解答は全問不正解であるため、B君の得点は20点となる。
b)の場合、一致解答のうち四問全問が正解、不一致解答のうち(A君が間違った)二問が正解であるため、B君の得点は60点となる。
c)の場合、一致解答のうち(A君が間違った一問を除く)三問が正解、不一致解答のうち(A君が間違った)一問が正解であるため、B君の得点は40点となる。

よって、a)の場合しかあり得ない。
したがって、不一致の六問は全て正解である。

インターリュード

不一致の六問についてはA君とC君の解答が一致しているため、C君はその六問について全て正解している。
C君の得点は70点であるため、C君は(2,3,5,10)のうち一問しか正解していない。

A君とC君

さて、(2,3,5,10)について、A君とC君の解答は一問(2)が一致し、三問(3,5,10)が不一致である。
そこで、A君が間違った二問について考えてみると、以下の二通りが考えられる。

d) 両方とも不一致解答に含まれる。
e) 一方が一致解答、もう一方が不一致解答に含まれる。

C君から見て、
d)の場合、一致解答の一問は正解、不一致解答のうち(A君が間違った)二問が正解であるため、合計三問が正解となる。
e)の場合、一致解答の一問は不正解、不一致解答のうち(A君が間違った)一問が正解であるため、合計一問が正解となる。

よって、e)の場合しかあり得ない。
したがって、一致解答である(2)はA君C君ともに間違いである。

結論

不一致解答である(3,5,10)については、A君が一問だけ間違っており、その問題のみC君は正解であるが、その問題を以上の条件から特定することはできない。

したがって、C君が確実に不正解であるのは(2)であり、かつ確実に不正解であるといえる問題は(2)のみである。